後進を育てるのはワンパターンではない。
2024.07.31今週のつぶやき
後進を育てるのはワンパターンではない。
という事が最近分ってきました。
“人を見て法を説け”という故事は釈迦が仏法を説く時に、その人に応じた方法で説法したことからきているそうです。
人はそれぞれ違う。
相手によって、それにふさわしい助言をすることが肝心なんでしょうね。
難しいことで、私は今だその事には勉強中としかいいようがありません。
中京棋界の陰の普及の功労者で、私の弟分の中山則男指導棋士六段が、いみじくも言っていました。「指導対局はどの位指してきたか覚えきれないくらいです。東海研修会もやっていますが、藤井聡太と比較すると皆凡才に見えてしまう」と。
あのような百年に一人の大天才と同じ尺度で他を計ること事体が、そもそも無理なんでしょうね。
私のところでも、柏将棋センターを開き31年になりますが、今だ佐々木勇気以上の子が出てこないのです。(これからは分りませんが)彼も大天才の一人なんでしょうか。
勇気君に、指導していた厳しい助言は他に通じるとは限らないと言うことは認識してきています。
子供は誉めてあげないといけない。
しかし、何でも持ち上げればいいというものでもない。人間は子供に限らず、直ぐに頭にのってしまう動物のようです。
子供を教えながら、教えられている私。
一生修行です。
さて、その佐々木勇気八段が竜王戦挑戦者決定戦まで進み、3番勝負を戦うことになりましたが、その第一局広瀬九段にも勝って挑戦者まで後一勝というところまできました。
対広瀬戦は佐藤康光九段に勝って挑戦者決定戦進出を決めた数日後に指されました。
過密なスケジュールでしたが、勇気君は十分に研究していったようで、先手番を取り、作戦も図星。
相手の広瀬章人九段をして「日頃の研究不足でした。いいところがなく負けてしまいました」と局後語らせるほどの快勝譜でした。
第一局は見事な一局でしたが、まだもう一番勝たなければ、挑戦者になれません。
「広瀬さんは追い込まれてから力を出すタイプですから」とまだ気を引き締めている勇気八段。
挑戦者の行方はまだ分りませんが、大勢のファンは藤井、佐々木のタイトル戦を、この大棋戦で見られることを願っているに違いありません。
第2局は8月13日に行なわれます。
弟子達(若手)の成績
7/25 | ●佐藤康光九段(先手)-佐々木勇気八段(後手)○ | 竜王戦 決勝トーナメント |
7/25 | ○高野秀行六段(先手)-渡辺大夢六段(後手)● | 叡王戦 予選 |
7/29 | ○佐々木勇気八段(先手)-広瀬章人九段(後手)● | 竜王戦 挑決第1局 |
今年度成績
佐々木勇気八段 7勝1敗(勝率8割8分)
高見 泰地七段 6勝2敗(勝率7割5分)
三枚堂達也七段 7勝3敗(勝率7割)
渡辺 大夢六段 4勝5敗(勝率4割4分)
門倉 啓太五段 4勝4敗(勝率5割)
加藤結李愛女流二段 11勝3敗(勝率7割9分)
鎌田美礼女流2級 3勝6敗(勝率3割3分)
柏将棋センタートーナメント戦 優勝者(段位は当センター認定)
7/26 | 小林敏英四段 | |||
7/27 | 河上良彦六段 | |||
7/28 | 山川慶初段 | |||
7/30 | 祖父江践哉四段 |