藤井一強時代がいつまで続くか。
2024.03.20今週のつぶやき
藤井一強時代がいつまで続くか。
第49期棋王戦五番勝負の第4局は藤井聡太棋王が伊藤匠七段を降し3勝0敗(1分)で防衛を果しました。
この対局は、後手番だった藤井棋王が序盤で△6二銀と相腰掛銀を避ける工夫を見せました。
名人に定跡なし、将棋はどうやっても指せるものと奥深さにまず感心しながら観戦。先手伊藤匠七段の作戦勝ちのはずがなかなか互角から有利にもって行けず、藤井聡太棋王の前さばきの巧さが目立つ展開となりました。
そして序盤から中盤。伊藤七段が2六銀と打つようになってから、次第に藤井ペースとなり、その後も着実に差を広げて押し切り。
いわゆる藤井曲線というやつですね。
最後の仕上げもいつもながら飛角をフルに使って鮮やかでした。
これでタイトル戦14連勝。と自己の記録を更新し、大山十五世名人の持つ17連勝の大記録に迫る無敵ぶり。
対戦した伊藤匠七段は、少しずつ及ばなかったものの、藤井さんと同年代という若さがあり、今後修正してまた挑んでくるでしょう。
そして、NHK杯戦。
藤井聡太NHK杯前回覇者対佐々木勇気八段の二年連続の決勝対決。
今年は佐々木勇気八段が勝ち優勝。
まさに金星、大金星といってよく、今の藤井八冠には、たとえ早指し戦とはいえ勝つことは至難の技なのです。
この将棋は勇気君が角換わり腰掛銀から事前に周到に準備していた作戦が功を奏し、優勢に。
そのまま押し切るかと思われましたが、藤井八冠はやはり、しぶとく、そこからはね返し逆転。
しかし、最終盤、時間に追われた藤井さんが、角の成り場所を誤り、辛くも勝利しました。
指運、まさに指運でしたが、局後目に涙を浮かべていたのが、この栄冠の苦闘を物語るかのようでした。
今この原稿を柏将棋センターで書いていますが、お客さんから次々とおめでとうと声を掛けられます。
「見ててハラハラドキドキでしたよ。凄いですね。最後、△2四飛がピッタリでしたね。感動しました」と。
柏将棋センターで育った佐々木勇気八段。皆が喜んでいます。これを機にさらなる飛躍を期待するものであります。
弟子達(若手)の成績
3/12 | ○杉本和陽五段(先手)-渡辺大夢六段(後手)● | 順位戦C級2組 |
3/14 | ●高崎一生七段(先手)-高見泰地七段(後手)○ | ALSOK杯王将戦 一次予選 |
3/17 | ○佐々木勇気八段(先手)-藤井聡太NHK杯(後手)● | NHK杯戦 決勝 |
3/18 | ●磯谷祐維女流初段(先手)-鎌田美礼女流2級(後手)○ | ヒューリック杯白玲戦 女流順位戦D級・千日手 |
女流の鎌田美礼女流2級は久しぶりの勝利。柏市の高校に入学が決まりお父さんとセンターに挨拶に来ました。将棋の出来がこの対局は良かったです。以後に期待。
今年度成績
佐々木勇気八段 26勝17敗(勝率6割)
高見 泰地七段 26勝12敗(勝率6割8分)
三枚堂達也七段 16勝12敗(勝率5割7分)
渡辺 大夢六段 11勝14敗(勝率4割4分)
門倉 啓太五段 13勝15敗(勝率4割6分)
加藤結李愛女流初段 12勝13敗(勝率4割8分)
鎌田美礼女流2級 5勝13敗(勝率2割8分)
柏将棋センタートーナメント戦 優勝者(段位は当センター認定)
3/15 | 猪瀬浩志五段 | |||
3/16 | 河上良彦六段 | |||
3/17 | 来栖寛幸五段 | |||
3/19 | 小川貴之五段 |