日本将棋連盟東葛支部 柏将棋センター

今週のつぶやき

今週のつぶやき

好きなことをやって、ずうっと暮らして行けたらこんないい人生はない。

2023.11.29今週のつぶやき

好きなことをやって、ずうっと暮らして行けたらこんないい人生はない。
そう考える人は少なくないでしょう。
我ら棋士は、皆将棋が好きで好きで仕方がない。これで生活ができたら、こんな幸せなことはないと思って選んだ職業。
特に一昔前は、棋士がまだ社会的に認めて貰ってない時代だったので、周囲の声に耳も傾けず、何もかもかなぐり捨ててという感じでした。
私もその一人で、名人、八段になろうなどという夢を持って、この道に入ったのではなく、ただ将棋と共に生きていけたらと、それだけが願望でした。
愛知県の田舎の中学生の少年が、両親の反対を押し切ってまでも、プロになりたいと切実に思い続け、それが叶って奨励会に入ることができた。今から思うと、それは運命的で、私は将棋のプロになるよう決められていたとしか思えません。
幸いかな、5年で奨励会を卒業し、棋士となりましたが、多くの同僚が挫折して止めていたのを思うと、有難きこととまず感謝しています。
ただ、振り返るに、奨励会の5年間は、1日も休まず将棋のことばかり考え、それこそ盤上没我の日々でした。
それが今の私の将棋の骨格を作ったのかも。
時は流れ、私がA級八段に昇った時、色紙に“盤上没我”と書きました。
それを見た内藤國雄九段が「石田君ピッタリの言葉をかくなあ」と言われたのを思い出します。
他から見れば、当時の私は“盤上没我”そのものに映ったのかもしれません。
しかし、私は盤上没我に成り切れず、酒を何より愛していたのではと反省しているのですが。
今でもその言葉を書きますが、真の盤上没我は、藤井聡太八冠ではないかと前にも書きました。
それが、藤井竜王防衛から一夜明けに藤井さん自身が、盤上没我と揮毫されているではありませんか。
これには驚きと共にある思いが頭をよぎりました。
私の師、板谷四郎九段は将棋の本筋を追求し、将棋に神があるとすれば、それに近づく姿勢を、教えの基本にしていました。
藤井八冠も板谷門の流れをくみ「振飛車は駄目だ。盤上真理の追求をせよ」の大先生の教えを知らず知らず貫いた、中京発の大偉人となったのです。
今週の石田九段一門将棋チャネルでは「将棋の日と藤井竜王盤上没我について」を放送。このことについて語っていますので是非ご視聴下さい。

 
 
弟子達(若手)の成績

11/22 ●永瀬拓矢九段(先手)-佐々木勇気八段(後手)○ ALSOK杯王将戦 挑決リーグ
11/22 ○加藤結李愛女流初段(先手)-脇田菜々子女流初段(後手)● 大成建設杯清麗戦 予選
11/24 ○高見泰地七段段(先手)-鈴木大介九段(後手)● 朝日杯将棋オープン戦 二次予選
11/24 ○高見泰地七段(先手)-戸辺誠七段(後手)● 朝日杯将棋オープン戦 二次予選

王将リーグ戦で、佐々木(勇)八段は最終戦で永瀬九段に勝ち挑戦者を食い止めた一局は終盤、見ごたえあり、勇気君意地を見せました。
高見七段は朝日杯で連勝し、トーナメント入りしました。このところ調子を上げている高見七段。順位戦の方、昇級を願っています。
 
 
今年度成績
佐々木勇気八段 15勝12敗(勝率5割5分)
高見 泰地七段 17勝8敗(勝率6割8分)
三枚堂達也七段 12勝5敗(勝率7割1分)
渡辺 大夢六段 8勝10敗(勝率4割5分)
門倉 啓太五段 9勝9敗(勝率5割)
加藤結李愛女流初段 9勝10敗(勝率4割7分)
鎌田美礼女流2級 4勝8敗(勝率3割3分)
 
 
柏将棋センタートーナメント戦 優勝者(段位は当センター認定)

11/23 河上良彦六段
11/24 戸崎誠一四段
11/25 美馬和夫六段
11/26 大野楽朗五段
11/28 美馬和夫六段

 

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