日本将棋連盟東葛支部 柏将棋センター

今週のつぶやき

今週のつぶやき

16歳の時だったと思う。

2022.11.03今週のつぶやき

16歳の時だったと思う。
私が奨励会初段で、兄弟子の板谷進さんが四段の頃だったと記憶しています。
福井県に将棋の指導に二人で出向いたことがあります。一泊二日の日程でしたが、指導の後、景勝地で天然記念物に指定されている東尋坊に立ち寄り、その荒波の日本海を眺めて驚いたことは、今でも鮮明に覚えています。
私が海水浴によく行った穏やかな三河湾とは正反対。
これぞ荒れ狂う海だ。そこへ立つと何故か吸い込まれるようでした。
荒れる海か、穏やかな海か。その選抜は人生にも当てはまるようで、たとえば、作家のような職業は、波乱を好みその方が人の心を打つ文章が書けると聞いたことがあります。
私共の棋士はどうか。勝負の世界は厳しい。
しかし、生活が安定していないと、いい将棋は指せない、と私の師匠板谷四郎九段に言われたことがあります。
生活が基本だと常々言われ、修業時代を過ごした私は、その頃は至って真面目な生活態度でありました。
東岡崎から名鉄で新名古屋へ、そして地下鉄に乗り替え、栄の板谷教室へと毎日のように通い、教室の手合係と将棋の研究に没入の日々でした。
駒を磨けが、師の口癖で将棋に対し、最善を求め、真摯に取り組まなければいけないが、師の考え方。
知らず知らず、これが私の奥底の将棋観になっているかもしれません。
その師が開いた中京棋界から、藤井聡太五冠という怪物が出現したのは、あながち偶然の産物とはいえないと思えてならないのです。藤井さんはあくなき最善手の追求。
今でも、自分の将棋をもっともっと高めなければという姿勢で一局一局を指している。
もし、板谷先生がその姿を見たら、どういう誉め言葉を表わすのか。
中京の時代がやってきました。

今週の石田九段一門将棋チャネルは「竜王戦第三局藤井、飛切りの強手で、また逆転。2対1に」を放送していますので、引き続きご覧下さい。

弟子達(若手)の成績

10/26 ●高野智史六段(先手)-門倉啓太五段(後手)○ ヒューリック杯棋聖戦 一次予選
10/26 ○藤井猛九段(先手)-高見泰地七段(後手)● ヒューリック杯棋聖戦 二次予選
10/26 ○加藤結李愛女流初段(先手)-岩根忍女流三段(後手)● 大成建設杯清麗戦 予選
10/27 ○渡辺大夢六段(先手)-田村康介七段(後手)● 王座戦 一次予選
11/1 ●佐藤康光九段(先手)-三枚堂達也七段(後手)○ 竜王戦2組 昇決
11/1 ○佐々木勇気七段(先手)-千葉幸生七段(後手)● 朝日杯将棋オープン戦 二次予選
11/1 ●佐々木勇気七段(先手)-鈴木大介九段(後手)○ 朝日杯将棋オープン戦 二次予選

竜王戦で三枚堂七段は、佐藤(康)九段に勝ち、1組昇級を決めました。
三枚堂君もやるもんですね。

今年度成績
佐々木勇気七段 14勝6敗(勝率7割)
高見 泰地七段 13勝10敗(勝率5割7分)
三枚堂達也七段 12勝6敗(勝率6割7分)
渡辺 大夢六段 11勝7敗(勝率6割1分)
門倉 啓太五段 8勝8敗(勝率5割)
加藤結李愛女流初段 12勝5敗(勝率7割1分)
鎌田美礼女流2級 2勝3敗(勝率4割)

柏将棋センタートーナメント戦 優勝者(段位は当センター認定)

10/27 猪瀬浩志四段
10/28 石田和弘四段
10/29 鎌田敦胤五段
10/30 綱島隆行五段
11/01 美馬和夫六段
11/02 猪瀬浩志四段
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